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パン屋を開業したいと考えたとき、どんな材料を使うか、どんなパンを売るかということは誰もが考えるでしょう。しかし、それと同時に「どんな機械を使ってパンを作るのか」も考えなくてはなりません。

特に業務用オーブンは、どんなパンでも欠かすことのできない機械です。

パンの焼き上がりは、オーブンの性能や相性によって大きく変わります。

せっかく良いレシピや材料を用意しても、オーブンの選定や設置が適切でなければ、思い描いた通りの味や食感を実現することはできません。

この記事では、初めてパン屋を立ち上げる方に向けて、業務用オーブンの基本的な種類や特徴、どんなパンを焼くのに向いているのかに焦点をあてて、解説していきます。

パン屋開業に向けた準備を安心して進めるための参考になれば幸いです。

パン屋の成功を左右する「業務用オーブン」とは?

パン屋を開業する際、多くの方が気にするのは店舗の立地やメニュー構成、内装の雰囲気でしょう。そのなかで見落とされがちなのが「業務用オーブンの選定」です。

実は、パン屋の品質や営業効率に直結する要素のひとつが、どのようなオーブンを導入するかという点にあります。

オーブンは、ただパンを焼くだけの機械ではありません。

生地の個性を最大限に引き出し、香ばしい焼き色や理想的な食感を生み出すために欠かせない存在です。

パンは、発酵や焼成のちょっとした加減で仕上がりが大きく変わる繊細な食べ物。だからこそ、オーブンの性能や焼成特性が品質の安定性を大きく左右します。

さらに、自店に適した業務用オーブンを導入することで、繁忙時に効率よく焼き上げるスピードや、複数種類のパンを同時に焼く際の温度コントロールのしやすさなど、日々の業務効率を上げることもできます。

開業準備段階で適切なオーブンを選び、導入計画を立てることは、スタートダッシュに成功するだけでなく、長期的な安定経営にもつながるでしょう。

業務用オーブンの種類と特徴

パン屋で使用される業務用オーブンには、いくつかの種類があり、それぞれ構造や熱の伝え方が異なります。

どのオーブンにも得意とするパンの種類や焼成方法があるため、店のメニューに合わせて適切なタイプを選ぶとよいでしょう。

ここでは代表的なオーブンを取り上げ、それぞれの特徴や向いているパンの傾向について解説します。

コンベクションオーブンの特徴と向いているパン

コンベクションオーブンは、庫内にファンが設置されており、熱風を循環させてパンを焼き上げるのが特徴です。

この熱の流れにより、庫内の温度が均一になりやすく、焼きムラが少なくなります。

また、比較的コンパクトなモデルも多く、小規模店舗でも設置しやすい点も魅力といえるでしょう。

さらに焼成時間が短く、予熱の立ち上がりも早いため、効率的な製造が可能です。

スチーム機能がついたモデルでは、表面の乾燥を防ぎながら膨らみのあるパンを焼くこともできます。

ただし、強い対流熱の影響で、生地が薄いパンや柔らかい菓子パンなどは、焼き色がつきすぎる場合もあるため、焼成時間や温度調整には注意が必要です。

コンベクションオーブンで焼くのに向いているパンは、ロールパンやクロワッサン、調理パン、スコーン、焼き菓子など。大量に同じ種類のパンを焼く場合や、焼き上がりの均一さを重視する場合に特に適しています。

はじめてパン屋を開業する方にとって、選びやすい機種のひとつです。

デッキオーブン(平釜)の特徴と焼き上がりの違い

デッキオーブン(平釜)は、熱源が上下にあり、庫内の各段(デッキ)で直接パンを焼くタイプのオーブンです。

熱風ではなく、主に「輻射熱(ふくしゃねつ)」によって加熱するため、表面がしっかりと焼き締まり、クラスト(皮)が香ばしく仕上がるのが大きな特徴といえます。

温度やスチームの調整がデッキごとに行えるモデルも多く、複数のパンを同時に焼き分けることも可能です。

たとえば、上段ではハード系のパンを、下段ではソフト系のパンを、といった柔軟な使い方ができます。

ただし、機械内部の構造上、コンベクションオーブンと比べて予熱に時間がかかる傾向があります。

デッキオーブンは、フランスパンやカンパーニュ、チャバタなどのハード系パンを本格的に焼きたい場合に最適です。

また、外はパリッと、中はもっちりした理想的な食感を実現できるため、パンの品質にこだわる店舗に選ばれる傾向があります。

見た目や焼き色にも個性が出るため、クラフト感のあるパンを提供したい方には特におすすめです。

スチームオーブンのメリットと注意点

スチームオーブンは、焼成中に蒸気(スチーム)を発生させ、庫内の湿度を高く保ちながらパンを焼くタイプのオーブンです。

蒸気によってパン生地の表面がしっとり保たれることで、焼成時の膨らみが良くなり、クラストのパリッとした食感や艶のある仕上がりが期待できます。

特に水分量の多いパン生地や、クラストに張りを出したいパンには効果的。

ベーグルやブリオッシュ、食パンといったボリューム感やしなやかな口あたりが求められるパンによく使われます。

最近では、デッキオーブンやコンベクションオーブンにスチーム機能を搭載した複合型も増えており、1台で幅広い仕上がりに対応できるようになっています。

注意点としては、スチームを使用することで機械内部の湿気が増えるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

また、蒸気発生装置の性能や加湿量によって焼き上がりに差が出ることもあるため、モデル選びの際は、蒸気調整機能の有無や安定性も確認しておきましょう。

その他の業務用オーブンを紹介

コンベクション、デッキ、スチーム以外にも、製パン現場では用途に応じたさまざまなオーブンが使われています。

その一例が「ラックオーブン」です。

これは大量のパンを焼くために開発された大型オーブンで、専用のラックごと庫内に入れて焼成します。

一度に大量のパンを同じ条件で焼けるため、大規模生産や業務効率を重視する工場やチェーンベーカリーに向いています。

また、連続して大量のパンを焼く「トンネルオーブン」は、ベルトコンベア式で生地が流れながら焼かれる設計となっており、完全な自動化に近い運用が可能です。

こちらは主に製パン工場などで使用され、個人店では導入例は少ないものの、参考として知っておくとよいでしょう。

小規模店舗の場合、これらの大型機種よりも、1台で多機能を兼ね備えたコンパクトオーブンやスチーム付きコンベクションが現実的な選択肢となります。

パンの種類や提供数量、予算を総合的に検討したうえで、自店に最適な機種を選ぶようにしましょう。

パン作りの工程とオーブンの関係

パン作りは、仕込みから焼成まで複数の工程で成り立っています。

その最終段階であるオーブンでの焼成は、味・香り・見た目に直結する非常に重要な工程です。

使用するパン生地や発酵状態によって最適な焼き方が異なるため、オーブンの性能や使い方が製品の仕上がりに大きく影響します。

ここでは、生地と温度の関係や焼成のタイミング、焼きムラ対策について解説します。

パン生地の種類と焼成温度の関係性

パン生地は、配合や水分量の違いによって焼成時の適温が変わります。

たとえば、ハード系のパン(バゲットやカンパーニュ)は高温(220〜250℃)で一気に焼き上げることで、クラストがパリッと仕上がります。

一方、食パンやロールパンなどのソフト系パンは、180〜200℃前後の中温でじっくりと焼くことで、ふんわりとした食感を保てます。

また、バターや砂糖を多く含むリッチな生地は焦げやすいため、低めの温度で焼成するのが基本です。

焼成温度の管理には、オーブンの設定精度だけでなく、事前の予熱も重要になります。

発酵・焼成・冷却までの流れとオーブンのタイミング

パン作りでは、基本的に以下のような工程を経ます。

オーブンへの投入のタイミングは、発酵の状態によって判断されるため、生地のふくらみ具合や指での押し戻し感などを確認することがポイントです。

発酵が不足すると膨らみが悪くなり、逆に過発酵になると焼成時に縮んだり、香りが落ちたりする原因になります。

焼き上がった後の冷却も重要な工程で、熱と水分を落ち着かせることで、クラストの食感や全体の風味が安定します。

品質を安定させる焼きムラ対策とは?

焼きムラは、パンの品質に大きく影響を及ぼします。

ムラがあると、同じ生地でも焼き色や食感にばらつきが出てしまうため、オーブン内の温度分布を均一に保つことが必要です。

具体的には、熱風が循環するコンベクション機能を活用したり、定期的に天板の前後を入れ替えたりするとよいでしょう。

また、庫内にパンを詰め込みすぎず、熱の流れが通る余裕を持たせることも重要です。

なお、スチーム機能がある場合は、焼成時の乾燥を防ぎ、より均一な焼き色を実現しやすくなります。

業務用オーブンの設置手順とポイント

業務用オーブンは家庭用と異なり、設置や導入にあたって事前準備が欠かせません。

厨房内のスペースや搬入経路、電源やガスの確認など、計画的に進めることでスムーズな導入につながります。初めてオーブンを導入する場合でも、流れと注意点をしっかり理解しておくことで、後々のトラブルを避けることができます。

まずは、自分の店で提供したいパンの種類や製造量を明確にし、それに合ったオーブンを選定することから始めましょう。

オーブンは、多機能なものから、特定の焼き方に特化した機種までさまざまなタイプがあるため、機能や焼成方式、操作性などを比較して、時間をかけて検討することが大切です。

機種が決まったら、次は厨房のレイアウトや搬入経路を確認します。

オーブンは大型で重量もあるため、設置スペースが確保されているか、搬入時に通れる出入口があるかなど、細かい確認が必要です。

現地調査を含め、事前に販売・設置業者としっかり打ち合わせをしておくと安心です。

また、電源やガス、排気についての確認も忘れないようにしましょう。

オーブンによっては特定の電圧やガスの種類、換気設備が求められることがあるため、内装工事の段階で配線や配管の準備を整えておく必要があります。

オーブンの設置が完了した後は、試運転を行い、温度やスチームなどが正常に作動するかを確認します。

操作方法や注意点については、メーカーや業者からの説明を受けながら理解を深めておくのがおすすめです。

業務用オーブン以外の製パン用厨房機器のトータル提案・設置もおまかせください!

パン屋の開業には、夢やこだわりがたくさん詰まっていると思います。

その中で、どんな業務用オーブンを選ぶかは、お店のパンの仕上がりや製造効率を大きく左右する重要なポイントといえます。

オーブンの種類や特徴をしっかり理解したうえで、店舗の規模やメニューに合ったものを選ぶことが、理想のパンづくりへつながるでしょう。

また、導入に際しては、厨房スペースや電源、排気の確認など、専門的な視点でのサポートも欠かせません。

初めて業務用オーブンを導入する際は、不安を感じる方も多いでしょう。

当社では、お客様のご要望に応じて、機種の選定から設置まで一貫して対応できますので、気軽にお問い合わせください。

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